デスノートに関する雑記①(デスノート THE MUSICAL)
2020年2月8日12:30~の部の「デスノート THE MUSICAL」の感想です。
デスノートのミュージカルは初見でした。ミュージカル好きの友人から、歌が良くて、生演奏。中だるみもなくスピーディな展開で面白いと聞いたので、見に行ってきました。
観た感想を端的に言うと、
役者さんの歌は良かった、生演奏も良かった、ビジュアルも、演出も洗練されて素敵だった。だけど、キャスティングが…。
となります。
※あくまで個人の感想です。
まずは、良いところを書いていきます。
役者さんでは、L役の髙橋颯さんの歌がピカイチでした。この方、元ジャニーズJr.で、今回、ミュージカルは初らしいですが、高音の伸びが素晴らしかったです。Lは猫背のキャラクターなので、姿勢が悪い状態で歌っているのですが、その状態であの高音がブレなく出ているのは凄い。まだ、お若いそうですので、これからの活躍に期待大です。
また、レムの女優さんには目も耳も持って行かれました。レムのビジュアルは漫画と随分、異なる様相で、ぱっと見、雪の精霊のような清廉さがありました。死神独特の昏さはあまり感じなかったですが、舞台版レムは、それはそれで、ありだと思いました。声も地の底深く這うような低音に心が震えました。
印象に特に残った役者さんは上記のお二人ですが、役者さんは皆さん歌が上手く、音を外す気配もない。正直、宝塚の舞台よりも安心して見ることができました。
で、冒頭の感想に立ち返ります。残念だった点です。
繰り返しますが、役者さんは、みんな歌は上手かった。
上手かったんですが、弥 海砂役、ミスキャストだったんじゃないでしょうか。
女優さんの名誉のために言っておきますが、海砂役の女優さんはとても歌が上手かったです。キーが低いのか、歌は低めの音域が多かった印象ですが、声には芯があり、高音部も朗々と力強く歌い上げていました。
ええ、力強く、歌い上げていました…、弥 海砂が。
その様は生命力に溢れ、例えるなら、子だくさん一家を養う肝っ玉母さんという感じ。ああ、この海砂だったら、降りかかる難局を月の力も借りずに、力ずくで打破していきそうだな…と思ってしまいました。
キャラクター的にも、演出的にも、漫画の世界観を忠実に表現してきていただけに、残念。バイタリティあふれるミサミサを見た瞬間、世界観に入り込めなくなってしまい、ミサミサの出番が多くなる2幕以降は、ちょっと辛かったですね。
漫画を読んだ方ならご同意いただけるんじゃないかと思いますが、ミサミサの魅力は、危なっかしいところだと思うんです。安定感のあるミサミサはミサミサじゃない…。
また、この舞台、全般的にキーが低い曲が多いんですよ。メインは月とLの男性2人ですし、昏い世界観なので、それはそれでOKなのですが、リュークも低音、レムも低音、夜神総一郎も低音と低音ばかりでちょっと飽きてしまう。
海砂ちゃんは高音域の子を採用しても良かったのではないかなと思いました。そっちの方が、単調にならず、舞台に変化がでたんじゃないかと思う次第です。